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『黄泉のツガイ』を読み始めると、かなり早い段階でこうなります。
「え、結局どっちが悪いの?」
ユルの村は襲われるし、アサを名乗る人物は複数出てくるし、影森家はやさしいのに怖い。東村も西ノ村もそれぞれ事情がありそうで、誰が敵で誰が味方なのか一気にわからなくなります。
結論からいうと、『黄泉のツガイ』は「東村が善で西ノ村が悪」「影森家が味方でそれ以外が敵」と単純に分けられる作品ではありません。
ただし、初心者が読むうえでの判断基準はあります。
ユルとアサを守ろうとする人物は味方寄り、ふたりの力を奪ったり利用したりする人物は敵寄りと考えると、勢力図がかなり整理しやすくなります。
この記事では、単行本12巻までの内容をふまえ、敵味方・悪者・裏切り者をネタバレありでわかりやすく整理します。
アニメから入った人や、途中で人物関係がこんがらがった人は、読み返し前の整理に使ってください。
『黄泉のツガイ』で一番ややこしいのは、悪そうな人物がずっと悪いとは限らず、味方に見える人物にも都合や隠し事があるところです。
それでも、現時点での立ち位置は次のように整理できます。
| 陣営・人物 | 立ち位置 | 初心者向けの見方 |
|---|---|---|
| ユル | 主人公。左右様の主 | 物語の中心。狙われる側 |
| アサ | ユルの双子の妹。「解」の力を持つ | 味方。冷たく見えても兄を大切にしている |
| デラ・ハナ | 東村と下界をつなぐ番小者 | ユル側の味方寄り |
| 影森家 | 東村の分家筋。アサを保護してきた勢力 | 味方寄りだが、きれいな正義ではない |
| 東村 | ユルの故郷。双子を管理してきた村 | 保護者でもあり、支配者でもある |
| 新郷ハヤト周辺 | 「解」と「封」を利用したい過激派 | 敵寄り |
| 黒谷アキオ | 影森家の内通者 | 裏切り者。ただし事情はある |
| 西ノ村 | 東村側と対立する勢力 | 敵寄り。ただし背景には深い因縁がある |
| 与謝野イワン・御陵など | 西ノ村側の実行部隊 | 明確に敵として動く場面が多い |
大事なのは、悪者がひとりだけいる物語ではないということです。
東村はユルを守っていた面がありますが、同時にユルを閉じ込め、真実を知らせずに管理してきました。
影森家はアサを助け、ユルにも手を差し伸べますが、裏社会を生きる一族らしい冷酷さも持っています。
西ノ村は敵として描かれますが、単なる侵略者ではなく、過去の恨みや失われたものを背負って動いています。
つまり、『黄泉のツガイ』の敵味方は固定ではありません。
その場その場で「誰がユルとアサの意思を尊重しているか」を見ていくのが、いちばん迷いにくい読み方です。
「どっちが悪い?」と聞かれたら、現時点で一番わかりやすく悪いのは、ユルとアサを人間ではなく「力の器」として扱う勢力です。
ユルとアサは「夜と昼を別つ双子」と呼ばれ、特別な力に関わる存在です。
アサは「解」の力を持ち、ユルは「封」の力に関わる資格を持つ人物として狙われます。
このふたりをめぐって、多くの勢力が動きます。
でも、目的は同じではありません。
この差が、そのまま敵味方の見分け方になります。
とくに悪質なのは、本人たちの意思を無視して「解」と「封」を手に入れようとする人物たちです。
新郷ハヤトのように力を欲しがる者、アキオを通じて影森家の内側を崩す西ノ村側、そしてユルやアサを駒として見ている人物は、読者目線では敵寄りと見ていいでしょう。
ただし、『黄泉のツガイ』は荒川弘作品らしく、敵側にも事情や背景があります。
だからこそ「こいつがラスボスで全部悪い」と短く片づけるより、何を守ろうとして、何を犠牲にしているのかを見ると面白くなります。
まず押さえたいのは、ユルとアサが悪者ではないということです。
ふたりは特別な力を持つから狙われているだけで、もともと世界をどうこうしようとしているわけではありません。
むしろ、物語の始まりではふたりとも大人たちの都合に振り回されています。
ユルは山奥の東村で育った少年です。
弓の腕が立ち、山で生きる力はありますが、現代社会のことはほとんど知りません。
ユルの視点で見ると、物語の序盤はかなり理不尽です。
平和だと思っていた村が突然襲われ、妹だと思っていたアサは偽物かもしれない。本物のアサを名乗る少女が現れ、さらに自分が特別な力をめぐる争いの中心にいると知る。
読者が混乱するのは当然です。
ユル自身も、何が正しいのかわからないまま戦いに巻き込まれています。
そのため、ユルを敵と見る必要はありません。
むしろ彼は、隠されていた真実を自分の目で確かめようとしている主人公です。
アサは初登場時の印象が強烈です。
眼帯をしていて、武装した仲間とともに現れ、自分こそが本物のアサだと名乗ります。
この時点では「アサは敵なの?」と感じやすいです。
ですが、アサはユルを憎んでいるわけではありません。
むしろ幼いころに離れ離れになった兄を、ずっと大切に思ってきた人物です。
アサが強く、時に乱暴に見えるのは、東村から出たあとに過酷な経験を重ねてきたからです。
ユルの記憶の中にいる「小さくて無垢な妹」と、今のアサは同じではありません。
それでも、兄を思う気持ちまで偽物になったわけではないのがポイントです。
アサは「解」の力を持つため、多くの勢力から狙われます。
彼女自身も危険な力を使いますが、基本的にはユル側の人物と考えて大丈夫です。
『黄泉のツガイ』で一番判断が難しいのが東村です。
ユルの故郷であり、物語の出発点でもある東村は、ただの平和な山村ではありません。
外の世界から隔絶され、独自のルールと秘密を守ってきた村です。
東村は、ユルを長く村の中で育てていました。
結果だけ見れば、ユルは外の危険から遠ざけられていたともいえます。
「解」と「封」に関わる双子は、外部勢力から狙われやすい存在です。
東村がユルを村に置いていたことには、保護の意味もあったのでしょう。
この点だけを見れば、東村を完全な悪とは言い切れません。
一方で、東村はユルに大事なことをほとんど教えていません。
アサのこと、両親のこと、村の秘密、ツガイのこと。
ユルは自分の人生に関わる重大な情報を知らされないまま育てられていました。
これは「守っていた」と同時に「管理していた」ともいえます。
東村の大人たちは、ユルのためと言いながら、ユル本人が選ぶ機会を奪っていたわけです。
ここが東村の怖いところです。
露骨な悪役ではないのに、やっていることはかなり重い。
読者が「東村って味方なの?敵なの?」と迷うのは、この二面性があるからです。
影森家は、東村の分家筋にあたる大きな勢力です。
アサを保護してきたこともあり、物語の中ではユルとアサにかなり近い立ち位置にいます。
ただ、影森家を「正義の味方」と呼ぶと少しズレます。
影森家は裏社会にも通じ、必要なら冷酷な判断をします。
つまり、善人の集まりではないけれど、ユルとアサを守る側にいる勢力と考えるのが近いです。
影森ゴンゾウは、影森家の当主です。
家の者から慕われる人物で、アサやガブちゃんにとっては居場所を与えてくれた存在でもあります。
一方で、影森家はきれいごとだけで生きている家ではありません。
敵や裏切り者に対しては容赦しない面があります。
だからゴンゾウは、読者から見ると「頼れるおじいちゃん」にも「怖い支配者」にも見えます。
この両方があるから、影森家は魅力的です。
影森ジンも、初見では敵っぽく見えやすい人物です。
言動が荒く、裏の仕事を担っているため、どうしても怖さが先に立ちます。
ですがジンは、影森家を守るために動いています。
ユルに対しても最初から完全な味方というより、警戒しながら距離を測っている印象です。
読者目線では「乱暴だけど、今のところ味方寄り」と見ておくとわかりやすいです。
ガブちゃんは、序盤で村を襲う側にいるため、敵の印象が強いキャラクターです。
しかし、アサとの関係を見ると、単なる殺し屋ではないことがわかります。
アサのことを本気で心配し、居場所を守ろうとする人物です。
戦い方は激しく、倫理的にまっすぐとは言いにくいですが、アサにとっては大切な味方です。
ユルから見ると最初は危険人物。
アサから見ると心強い仲間。
この見え方の違いも、『黄泉のツガイ』の敵味方を複雑にしています。
現時点で敵側としてわかりやすいのが西ノ村です。
西ノ村の関係者は、ユルやアサの力に強く執着し、影森家や東村側と敵対します。
与謝野イワン、醍醐、御陵、小野ミナセなどは、物語が進むほど脅威として存在感を増していきます。
初心者向けにざっくりいうなら、西ノ村は敵です。
ユルとアサの安全を脅かし、影森家にも大きな被害を与えます。
とくに単行本10巻以降は、西ノ村側の戦力が前面に出てきて、争いが一気に激しくなります。
ユルたちを守る側から見れば、イワンや御陵は明確な敵として立ちはだかる存在です。
一方で、西ノ村はただ欲深いだけの集団ではありません。
東村との過去、封じられた歴史、奪われたものへの執着。
そうした背景があるため、西ノ村側は自分たちを一方的な悪だとは思っていないはずです。
ここが『黄泉のツガイ』らしいところです。
相手から見れば悪でも、本人たちには戦う理由がある。
だから読者は「悪いのは西ノ村」と思いながらも、「なぜここまでしているのか」が気になってしまいます。
とはいえ、ユルとアサを巻き込み、本人たちの意思を無視して力を手に入れようとしている以上、少なくとも現時点では敵寄りと見ていいでしょう。
『黄泉のツガイ』で「裏切り者」として特に重要なのが、黒谷アキオです。
アキオは影森家に仕える黒谷四姉弟のひとりですが、実は西ノ村側とつながっていた内通者でした。
この裏切りは、影森家の内側から安全を崩す大きな出来事です。
アキオは、表向きは影森家の一員として動いていました。
しかし、行動を追うと不自然な点があります。
襲撃者の情報を抜き取れなくするような動きや、敵側に都合のいい行動があり、ジンたちに疑われていきます。
そして単行本6巻の流れで、アキオが裏切り者だったことが明らかになります。
敵味方を整理するうえで、ここはかなり重要です。
「影森家は味方寄り」といっても、内部に裏切り者がいたことで、家そのものの安全性は大きく揺らぎます。
アキオは、ただの欲深い裏切り者ではありません。
彼の裏切りには、無痛症や母親への思いが関わっています。
痛みを感じにくい身体、心の空白、自分を捨てた母親への執着。
そこにつけ込まれる形で、西ノ村側とつながってしまいます。
もちろん事情があるから裏切っていいわけではありません。
ただ、『黄泉のツガイ』はここでも単純に「裏切り者だから悪」と終わらせません。
アキオは敵側に回った人物ですが、同時に利用された人物でもあります。
この複雑さがあるので、彼の行動は読んでいて苦いんですよね。
アキオと混同しやすいのが、影森アスマです。
アスマは雰囲気があやしく、序盤から「この人、裏切りそう」と思わせる人物です。
ですが、アスマは単純な裏切り者ではありません。
彼は新郷ハヤトに従っているように見えますが、実際には母イオリをめぐる因縁や、新郷への憎しみを抱えています。
つまり、うさんくさい笑顔の裏にあるのは、影森家への裏切りというより、別の目的です。
初心者が整理するなら、こうです。
この3人を分けておくと、6巻前後の流れがかなり読みやすくなります。
『黄泉のツガイ』がややこしいのは、キャラクターの所属と感情が一致しないからです。
普通の作品なら「同じ組織の人は同じ目的で動く」と考えがちです。
でも本作では、同じ陣営にいても目的が違います。
影森家はひとつの大きな家ですが、内部の人物が全員同じ方向を見ているわけではありません。
アサを守りたい人もいれば、家を守りたい人もいる。
過去の恨みで動く人もいれば、自分の居場所を守るために戦う人もいます。
だから「影森家=全員味方」とすると、アキオの裏切りで混乱します。
影森家は味方寄り。
でも、個人ごとに見なければいけない。
この感覚が大事です。
東村も同じです。
ユルの故郷だから味方、と見たいところですが、そう簡単ではありません。
東村にはユルを守るために動く人もいれば、村の秘密や都合を優先する人もいます。
ユル本人から見れば、真実を隠されていた時点で信用しきれないのも自然です。
東村は敵か味方か。
答えは「両方」です。
だからこそ、ユルが自分で判断していく過程が物語の軸になります。
西ノ村は敵として描かれる場面が多いですが、彼らにも過去の痛みや大義があります。
ただし、だからといって今の行動がすべて許されるわけではありません。
ユルとアサを狙い、影森家を攻撃し、他人を駒として使う。
この時点で、読者目線では敵として見るのが自然です。
『黄泉のツガイ』は、被害者だった者が加害者になる怖さも描いています。
そこを意識すると、西ノ村の見え方もかなり変わります。
ここまでの内容を、キャラクターごとにもう少し細かく整理します。
| 人物 | 敵味方の目安 | 理由 |
|---|---|---|
| ユル | 味方・主人公 | 狙われる側。真実を知ろうとしている |
| アサ | 味方 | 「解」の力を持つが、ユルを大切にしている |
| 左右様 | ユル側 | ユルのツガイ。ただし「解」と「封」の天敵でもある |
| デラ | 味方寄り | ユルを助け、外の世界との橋渡しをする |
| ハナ | 味方寄り | 番小者としてユルたちに関わる |
| 影森ゴンゾウ | 味方寄り | アサを保護する一方、冷酷な面もある |
| 影森ジン | 味方寄り | 影森家を守るために動く |
| ガブちゃん | 味方寄り | アサの大切な仲間。序盤は敵に見えやすい |
| 影森アスマ | 味方寄り・要注意 | 怪しいが、単純な裏切り者ではない |
| 新郷ハヤト | 敵寄り | 「解」と「封」を利用しようとする |
| 黒谷アキオ | 裏切り者 | 影森家にいながら西ノ村側と内通 |
| 与謝野イワン | 敵寄り | 西ノ村側としてユルたちと敵対 |
| 醍醐 | 敵寄り | 西ノ村陣営の強力な戦闘要員 |
| 御陵 | 敵寄り | 影森家に大きな脅威を与える |
| 小野ミナセ | 敵寄り・核心に近い | アキオや西ノ村側との関係が深い |
| ヤマハおばぁ | 保留 | 東村の秘密と過去を知る重要人物 |
この表は、あくまで単行本12巻までの読者向け整理です。
今後の展開で、味方寄りの人物が危うくなったり、敵側の事情がさらに明らかになったりする可能性はあります。
『黄泉のツガイ』は、そこが面白い作品です。
敵味方を整理するうえで、「解」と「封」は避けて通れません。
難しく見えますが、まずは次の理解で大丈夫です。
この「解」と「封」があるせいで、ユルとアサはただの兄妹ではいられません。
東村は管理したい。
影森家は保護したい。
西ノ村は奪いたい。
新郷のような人物は利用したい。
つまり、悪者を見分けるポイントは「解と封をどう扱うか」です。
ユルとアサを人として見るのか。
それとも、力の入れ物として見るのか。
後者に近いほど、敵または悪者寄りと考えていいでしょう。
『黄泉のツガイ』は情報量が多いので、最初からすべて理解しようとすると疲れます。
読み返すなら、巻ごとに注目ポイントを変えるのがおすすめです。
序盤は、ユルの視点に立つのがいちばん読みやすいです。
ユルは何も知らない状態で、読者も同じように情報を浴びます。
ここでは、誰が正しいかよりも「ユルが何を知らされていなかったのか」を見るのがおすすめです。
偽アサ、本物のアサ、左右様、影森家。
このあたりの関係がつかめると、物語の土台が見えてきます。
4〜6巻あたりでは、影森家の中身が見えてきます。
ゴンゾウやジンの怖さ、ガブちゃんとアサの関係、アスマの本心、そしてアキオの裏切り。
ここで重要なのは「味方陣営にも危うさがある」と知ることです。
とくに6巻は、裏切り者を整理するうえで外せません。
アキオとアスマを混同しないように読むと、敵味方がかなりすっきりします。
中盤以降は、単なる兄妹救出劇から、東村と西ノ村の因縁へ視点が広がっていきます。
ここで「西ノ村はただの悪役なのか?」という疑問が強くなります。
もちろんユルたちを狙う以上、敵であることは変わりません。
ただ、なぜそこまで東村側に執着するのか。
どんな過去があるのか。
そのあたりを追うと、物語の奥行きが増します。
10巻以降は、戦闘と陣営のぶつかり合いが一気に激しくなります。
イワン、御陵、醍醐といった西ノ村側の強者が前に出て、影森家も大きく揺さぶられます。
ここまで読むと、「誰が敵か」はかなり見えやすくなります。
一方で、「なぜ敵になったのか」はまだ完全には割り切れません。
この残り方が、続きへ引っ張る力になっています。
敵味方で迷ったら、次の3つで判断するとわかりやすいです。
ユルとアサに選ばせようとしている人物は、味方寄りです。
逆に、ふたりの意思を無視して閉じ込める、殺す、奪う、利用する人物は敵寄りです。
東村が難しいのはここです。
守ってはいた。
でも、選ばせてはいなかった。
だから完全な味方とは言い切れません。
『黄泉のツガイ』には嘘や隠し事が多く出てきます。
ただし、嘘にも種類があります。
相手を守るための嘘なのか。
自分たちの都合で支配するための嘘なのか。
ここを見ると、人物の印象が変わります。
デラや影森家の隠し事は、完全にきれいではありません。
それでも、ユルとアサを生かそうとする方向に働く場面が多いです。
一方で、利用目的の嘘はかなり危険です。
ユルとアサを「解」「封」として見ている人物は危ういです。
反対に、ふたりを兄妹として、ひとりの人間として見ている人物は味方寄りです。
アサにとってのガブちゃん、ユルにとってのデラやハナは、この意味で大きな存在です。
戦力としてだけでなく、ちゃんと人として見てくれる相手がいるから、ユルとアサは自分の意思を失わずにいられます。
『黄泉のツガイ』を「敵を倒すバトル漫画」として読むと、少しだけ見誤ります。
もちろんバトルは大きな見どころです。
ツガイの能力も楽しいですし、戦闘の組み合わせも読みごたえがあります。
でも物語の中心にあるのは、家族と因縁です。
ユルとアサの兄妹。
影森家という疑似家族。
アキオと母親。
東村と西ノ村の長い因縁。
誰かを守りたい気持ちが、別の誰かを傷つける。
自分たちの正義を通すために、他人を道具にしてしまう。
そういうねじれがあるから、敵味方が簡単に分けられません。
だからこそ、「どっちが悪い?」の答えはこうなります。
今のところ悪いのは、ユルとアサの意思を無視して力を奪おうとする側。けれど、物語全体は単純な善悪で終わらない。
この前提で読むと、各キャラの言動がかなり見やすくなります。
単純に「東村が悪い」「西ノ村が悪い」とは言い切れません。
ただし、ユルとアサを本人の意思ごと尊重せず、「解」と「封」の力を奪ったり利用したりする勢力は敵寄りです。
初心者向けには、西ノ村や新郷ハヤト周辺、アキオの内通は悪者側の動きとして見ると整理しやすいです。
一方で、東村もユルに真実を隠して管理していたため、完全な善ではありません。
単行本12巻までの範囲では、西ノ村側の与謝野イワン、御陵、醍醐、小野ミナセなどは敵として見ていい存在です。
また、新郷ハヤトは「解」と「封」を利用しようとするため、ユルたちから見ると敵寄りです。
黒谷アキオは影森家の内通者として、裏切り者の立ち位置になります。
アサは味方です。
初登場時はかなり敵っぽく見えますが、ユルの双子の妹であり、兄を大切に思っています。
ただし、ユルの記憶にある幼いアサとは違い、東村を出たあとに過酷な経験を重ねた人物です。
そのため、言動が強く見える場面があります。
影森家は味方寄りです。
アサを保護し、ユルにも関わっていく重要な勢力です。
ただし、影森家は裏社会を生きる一族でもあり、敵や裏切り者には冷酷です。
「正義の味方」ではなく、「ユルとアサを守る側にいる危険な味方」と考えるとしっくりきます。
東村は完全な悪者ではありません。
ユルを守っていた面がある一方で、ユルに真実を知らせず、村のルールの中に閉じ込めていた面もあります。
だから東村は「保護者」と「支配者」の両方です。
ここを押さえると、東村の不気味さがわかりやすくなります。
西ノ村は、ユルたちから見ると敵です。
ユルとアサの力を狙い、影森家や東村側と激しく敵対します。
ただし、西ノ村にも過去の因縁や自分たちなりの正義があります。
単なる悪の組織というより、過去の恨みを抱えた敵対勢力と見るのが近いです。
代表的な裏切り者は黒谷アキオです。
影森家に仕えながら、西ノ村側と内通していました。
一方で、影森アスマは怪しく見えますが、アキオとは別です。
アスマは新郷ハヤトへの憎しみや母イオリとの因縁を抱えて動いており、単純な裏切り者とはいえません。
序盤だけだと、あえてわかりにくく作られています。
ユルと同じように、読者や視聴者も情報を知らない状態から始まるためです。
敵味方をしっかり整理したいなら、単行本で読み返すのがおすすめです。
とくに1〜3巻でユルとアサの関係、4〜6巻で影森家と裏切り者、10〜12巻で西ノ村側の脅威を追うと、かなり理解しやすくなります。
『黄泉のツガイ』で「どっちが悪い?」と迷ったときは、善悪をひとことで決めようとしないほうが読みやすいです。
現時点での答えは、ユルとアサを守ろうとする人物は味方寄り、ふたりの力を奪って利用しようとする人物は敵寄りです。
ユルとアサは争奪戦の中心にいる兄妹。
影森家は怖いけれど味方寄り。
東村は守る側でもあり、管理する側でもある。
西ノ村は敵として動くが、背景には過去の因縁がある。
そして、はっきりした裏切り者として重要なのが黒谷アキオです。
『黄泉のツガイ』は、敵味方が入れ替わるというより、読むほどに「なぜその立場にいるのか」が見えてくる作品です。
アニメで気になった人は、単行本で最初から読み返すと伏線の置き方に気づきやすくなります。
敵味方の表を頭に入れてから読むと、ユルとアサをめぐる争いがかなり追いやすくなるはずです。
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